『ブラザーサンタ』(原題: Fred Claus)、個人的には好きなクリスマス映画
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2007年に公開された、アメリカ映画。
監督:デヴィッド・ドブキン
製作:ジョエル・シルバー
ネタバレありです。大人用のクリスマス・コメディ映画のような気がします。
キャスト
・フレッド・クロース:ヴィンス・ヴォーン
・ニコラス・クロース:ポール・ジアマッティ
・ウィリー:ジョン・マイケル・ヒギンズ
・シャーリーン:エリザベス・バンクス
・ワンダ:レイチェル・ワイズ
・クライド・アーチボルト・ノースカット:ケヴィン・スペイシー
・ママ・クロース:キャシー・ベイツ
あらすじと感想
森の中に一軒だけ建っているような家の中で、フレッドに弟が生まれました。その弟はとても太った赤ちゃんで、泣かないのを一瞬心配しましたが、可愛く「ホー」と言葉を発しました。
フレッドの弟は祖父と同じ名前のニコラス・クロースと名づけられて、聖なる(セント)ニコラスと呼ばれるように。
フレッドはニコラスに「僕は世界で一番のお兄ちゃんになるよ」と約束するが、長続きしなくて・・・。
「約束は、するよりも守るほうが難しいものです。」
というナレーションの言葉が心に残ります。
フレッドは良いお兄ちゃんになろうとしていましたが、弟のニコラスのほうが両親ウケが良くて、母親はニコラスのほうを聖人のようと言い続けます。
すでにここで、フレッドがニコラスのためにあげたプレゼントを、ニコラスは可愛そうな人にあげるという、なんとも言えない行動をしています。
両親を喜ばせようとしても、煙突から入ってきたニコラスのほうを褒めたり。
そしてフレッドが母親に言われるのは「弟を見習ったら?」と。
(ここらで、これは大人が観る映画かもしれないと思い始めて。)
弟のことが嫌いになりそうなフレッドは、木の上に座って鳥小屋にいる鳥のピーちゃんに相談(独り言だけど)していると、弟ニコラスがその木を切り倒します。
お兄さんが好きな木だから家に飾ろうと考えたらしいが・・・。
鳥のピーちゃんはどこかに飛んでいって、もう二度と戻りませんでした。
こういう悪意のない善意というか悪気がないニコラスの行動は、フレッドがひねくれてもしょうがないよね~。
そこから弟も両親も自分の人生も嫌いになっちゃって、ニコラスに意地悪をするようになっていきます。
対してニコラスは、フレッドのいじめに耐えて寛大になっていって、母親の予言どおり成長して聖人になりました。
この聖人というのは、永遠に歳をとらなくて、家族や配偶者もその恩恵を受けることが出来るんだって。
こうしてフレッドの弟のニコラスは「サンタクロース」として、北極で世界中の子どもへプレゼントを配っています。
と、ここまでは内容の説明みたいなもので、ここから現代のフレッドのストーリーになります。
現代になったとたんに、サンタクロースの置物が「ホーホーホー」って言ってるし、フレッドは女の子からテレビを奪っているし。
あげくのはてには、詐欺まがいのことをして留置所へと。
困ってニコラスに助けを求めると、北極の弟のところでサンタクロースの手伝いをするというのが、保釈金を払ってもらえる条件になる。
ニコラスの奥さんは、フレッドが北極に行くのに大反対だったりと現実的だったりする中、エルフのリーダー・ウィリーがトナカイつきのソリで迎えに来る。
快速ソリであっという間に北極のサンタクロースの街につくと、そこはイルミネーションが綺麗な夢のような国。
エルフもいっぱいいて、プレゼントの用意をしている工場もありました。
いい子と悪い子に分けて、悪い子にはプレゼントをあげない制度になっている。
悪い子と判断するのも難しいから、スノードームという丸い球に子どもの様子を映し出して見ることができる。
最初に映った子どもは、何か興奮するものでも食べさせちゃったのかな?という暴れっぷりで、お姉さんらしき女の子と家具をおもちゃのバットで叩きまくりw
フレッドは、でもこれだけじゃ分からないのでは?っていう言い方を。弟と比べられすぎてダメ人間になったとはいっても、根が優しい。
そんな時に、ノースカット(ケヴィン・スペイシー)が能率指導員としてやってくる。嫌なやつの悪役をケヴィン・スペイシーが演じるとは、豪華ですよね。ケヴィン・スペイシーの演技、大好きです。
1800年代の子どもは目に見えない、「家族の健康」「世界の平和」などを欲しがったけれど、現代の子どもがおねだりするプレゼントは増えすぎて、問題になっていると言う。
プレゼントを作るペースが落ちているので、本部がここの工場の閉鎖を検討中だと。
南極に作業を合理化して経費を節約した新しい工場の建設すると言う。北極工場は悪いところが3つみつかると、閉鎖になる。
ノースカットは工場を閉鎖したいらしく、サンタクロースの邪魔をする。
その行動の理由には、子どもの頃、悪い子と判断されてプレゼントをもらえず、悲しい思いをした過去があった。
弟がいて比べられて育ったというのもトラウマで、木に例えて「大きな木の陰で育った木は必死に光を浴びようとするから不恰好に曲がっている」というような話をフレッドにする。フレッド以上に歪んでいて、まだ世界の全てというか、クリスマス(サンタクロース?)を恨んでいるみたいで。
ノースカットが子どもの頃に欲しかったプレゼントは、スーパーマンのマント。それをつけると変われる気がしていたのだ。
フレッドがシカゴにいたときに知り合いだった男の子、サム(スラム)は、フレッドに教えられた通りのサンタクロースを子どもたちに話す。サンタクロースは、目立ちたがり屋でペテン師だと・・・
スノードームでそれを見たフレッドは、全ての子をいい子にする。
サンタクロースのニコラスは、工場閉鎖やプレゼントが間に合わない心配もあり、フレッドの行動を批判して、そこから兄弟喧嘩に。
そのケンカも雪合戦と言い合いで、大人気ない二人のやりとりが面白い。
サンタクロースがお兄さんをソリで轢き殺そうとする場面は、おバカすぎて笑えました。これサンタさんがやっちゃあダメでしょ!死んでないけど、かみついたりアホすぎるw
大事なクリスマス前なのに、このケンカが原因でサンタさんが腰を痛めてるし。
ちゃんと弟は、木を切っちゃったことを後悔していて、クリスマスプレゼントで謝ります。
一度シカゴに戻ったフレッドが、兄弟との葛藤を乗り越えるグループセラピーに参加したときに、
シルヴェルター・スタローンの弟、フランク・スタローン
アレック・ボールドウィンの弟、スティーヴン・ボールドウィン
が本人役で出演していたのは、良かったです。こういうユーモアがあるのっていいですね。
フレッドは北極に戻って、ニコラスの代わりに、なんとかプレゼントを子どもたちに配ろうと頑張ることに。
プレゼントは全員がもらうべきで、悪い子なんていないというフレッドの言葉は、感動します。
フレッドはサムに子犬をあげて、あのサンタの話は間違っていると教える。こういう細かいところを忘れていないのも、好感が持てます。
ノースウッドも45歳になったけど、スーパーマンのマントをサンタクロースからもらえました。
工場も存続できることになり、ハッピーエンドで楽しく観れた映画。
ハッピーエンドなのも、サム(スラム)に家族が出来るところや、工場のエルフたち、サンタクロースの家族と、みんなが幸せになるところまで話があるというのが良かった。